外資系の展示主催会社で勤務していた時CIM(Computer Integrated Manufacturing)と言うコンセプトの展示会を担当し、この言葉を初めて知りました。
日本語だと「コンピューター統合生産」になります。
生産管理システムのことですが、それまで大量生産大量消費の時代から次第にニーズに合わせ小ロットでも素早く対応出来るシステム構築の概念で出展対象者や来場者に当時新しい言葉だったので色々説明をした記憶があります。
その時強い印象をもったのはIntegrationという言葉でした。
統合する力です。
私が社会人になった時は会社からインタナショナル コミュニケーターを目指せと言われました。グローバル社会になっていく時代でしたので世界の人と自由にコミュニケーションが出来るようにと思っていました。
その後「ネゴシエーター」と言う本を読み次の時代はコミュニケーションだけではなく交渉出来るまでの力を養わなくてはいけないと感じました。
その後出会ったのが「Integration」統合です。
交渉から更に進化し色々な会社、スキル、人材、素材等プロジェクトを達成する為に必要な得意分野を集結させる能力が必要になる時代だと感じ、その後ずっと仕事を通じ意識してきました。
私達の仕事も多くの人達の力を借りて成り立ちます。
そして中心となり得意分野を持っている方々を統合しプロジェクトを進めています。
先日女性冒険家 南谷真鈴氏(7大陸最高峰日本人最年少登頂記録保持者)のインタビューを見ていたら彼女が高校生の時にエベレストへ登りたいと思った時このプロジェクトをどのようにしたら達成出来るかを考えたそうです。
普通であれば個人でどのような訓練をすれば登れるのだろうかとかを考えますが、彼女はプロジェクトとして初めから考えていたそうです。
この発想がとても大切で自分一人では到底達成出来ない、その為のプロジェクトチームを如何に構成していくか考えている事です。
その後彼女の行動力で色々な人や企業各社からのサポートを受け成功させていきます。
時代はどんどんスピードを増しています。
それに対応するには一社や一人だけではなく、色々な得意分野を持った人、企業がタッグを組みプロジェクトを成功に導いていくのでしょう。
その中心となり行動出来る人材が益々必要とされているような気がします。
しかし統合を進めていくには、他者を認め尊敬し感謝を忘れない気持ちが必要です。
今活躍するアスリートを支えるチーム力も注目されています。
手放しで喜べるニュースが大リーグで活躍している大谷翔平選手です。
先日の大リーグのオールスターゲームでのホームラン競争に参加した出場料1650万円を球団職員の方へ全て分配したとの報道がありました。
出場しているのは彼自身一人ですが、そこまでの過程で多くの人に支えられているという感謝の気持ちがあるからこそ出来た行動だと思います。
活躍出来る力を維持するには多くの人を巻き込む統合力つまり人間力が必要とも言えます。
彼が高校生の頃から目標を達成する為の必要事項を具体的に表に明記している事は有名ですが、その積重ねが今の人間力に繋がっているのではと思います。
余談ですが、日本では多くの大谷翔平選手の著書が出版されていますが、今アメリカで彼の自叙伝を出版したらきっとベストセラーになるのにと思っているのは私だけでしょうか?
もう出版されているのでしょうか?
大谷翔平選手やオリンピックのアスリートを見て年齢関係なくチームを束ねる力、人間力を鍛える努力を惜しまず、これからも精進しなくてはと痛感しています。
金子 孝一