「人は時に大切な事を忘れ、間違える」を前提に考えると、日常生活やビジネスにおいて正しい判断を求められる時、色々な法則や原理原則を意識すると助けとなる事があります。

多くの教訓的な法則がありますが、真っ先に私が思い出すのはハインリッヒの法則・パレートの法則・ユダヤの法則・メラビアンの法則・ランチェスターの法則・マズローの法則等皆さんはもっと色々思い出す法則があると思います。

上記の法則で真っ先に挙げた皆さんご存知のハインリッヒの法則では1件の大きな事故の前に29件の軽微な事故、その前には300件のヒヤリハット(ヒヤリ・ハットする)が存在しているとあります。

人はヒヤリとした事がありながらも大事にならなければ、自分はラッキーと思い根拠なく大丈夫と思い込みたがる事で忘れてしまったりするのではないでしょうか。

その為29件までの軽微な事故もそれ程深刻には受け止めていないからこそ大事故に繋がると思います。
事故と書くとおおごとに思われますがビジネスですとクレーム、家では不満と当てはめれば日常と近くなります。

事故・事件・災害等のニュース等を見聞きするといつも意識するのは決して対岸の火事ではなく、いつでも自分にも起こりえると考える事でこのハインリッヒの法則に当てはめてみます。

私たちの仕事も一つ一つ小さな事を積重ね、クライアントのニーズ・ウオンツを把握しながらチーム内で同じ情報を共有し進めていきますが、その過程において「あれ?」「変だなー」「これ大丈夫?」と言った感覚があった場合、この感覚を大切にせずに曖昧・疑問のまま進めたりすると必ずと言って問題が発生してきます。
問題が発生する前に面倒でも何度も確認し慎重に進める。それにかかる時間や手間を考えても結局問題が起きてからの解決までのほうが労力は何倍もかかります。それだけではなく何より信頼関係が崩れてしまう怖さがあります。

1:29:300という数字ではありません。正しく指摘・注意された時こそ、しっかりと足元を見つめる大切な機会を得たとポジティブに捉えるようにすると先に見える風景が変わってくると思います。

星の王子さまの作家サンテグジュペリは子供が気づく危うさに大人が気づかない怖さを指摘しています。

東日本大震災・福島第一原子力発電所事故から10年。
特に福島第一原子力発電所に関しては当初想定外の津波の高さと報道されていましたが、震災前に既存の防波堤の高さより高い津波の可能性を指摘されていたにも関わらず問題を先送りにした事が未だに先が見えない状況になっています。

今回はそんな時期だからこそ今一度世の中で起こっている現象を「自分ごと」と考え、ハインリッヒの法則を忘れず、準備を怠らないそんな気持ちが大切と考えます。

金子 孝一