コロナ禍で縮小した経済活動を見ると、企業存続が如何に難しいか痛感します。
どんな産業でも設立からずっと右肩上がりで成長する事は少なく、どこかで必ず危機を乗り越えてきた時期があります。
以前テレビの番組で星野リゾートの代表星野さんがゲスト出演され色々コロナ禍でホテル業界が大変な困難に立っているとの話をしていました。
コロナ禍で社員とコミュニケーションが中々取れないので不安になっている社員の為に社内向けブログを始めたと話されていました。なるべく多くの社員に読んでもらい「いいね」の数を増やす為に色々工夫しているようです。
一番社員が見てくれて「いいね」の数が上がったテーマが「星野リゾートの倒産確率」だったそうです。自虐ネタですが、星野さんの前向きで明るさが出ていました。
その番組を見て改めて企業の存続率について調べてみましたが、発表資料ごとに企業存続率が違います。
古いデータですが2011年版の中小企業白書に掲載されている企業存続率は
1年後が約97%、5年後が82%、10年後が70%
と徐々に下がっていき、約50%まで下がるのが22年後とされています。
しかしこのデータは比較的規模の大きい中小企業と書かれています。
又他の示されている数字はもっと厳しく私が起業する時言われたのが
設立1年40%、5年で15%、10年以上6%、20年以上0.3% 、30年以上0.025%
またベンチャー企業の存続率を示すデータが日経Web版では、
創業から5年後15%、10年後6.3%、20年後0.3%です。
多種多様なデータがありますので、何が正しいかは分かりません。
しかし企業経営者は何より今、会社をどのような方向で進め未来を描いていくかが一番重要で企業存続率の数字のこと等気にしてはいられません。
企業にとって一番大切なのは会社のミッションです。
そのミッションを達成する為にビジョンがあります。
共に働く仲間はこのミッションに共感し、日々会社のビジョンを意識し自分たちの目標達成の為に大切な時間を費やしてくれています。
世界で最も100年企業が多いのは日本で約33000社あると言います。
ちなみ2位は米国の約19500社、3位はスウェーデンの約14000社
江戸時代から続いている会社が950社程、何故続く事が出来るのか?
そうした会社では何が優先事項か?
きっと大切な共通があるのではないか?
企業が守らなくてはいけない大切な要素をしっかりと見据えた上で時代の変化を捉え工夫していく。決して時代に翻弄されるのではなく自分達らしさに磨きをかけ素早く変化に対応していく姿勢が継続出来る条件なのかと感じます。
作家池井戸潤さんは色々な企業小説を描いていて私も殆どの作品を読んでいます。
話題になった半沢直樹シリーズがありますが、特に中小企業を舞台にドラマ化にもなった「陸王」「下町ロケット」「空飛ぶタイヤ」等印象に残る本でした。
何れも中小企業が色々な困難に立ち向かい乗り越え挑戦する姿を描き勇気をもらいました。
ダーウィンの進化論から
「この世に生き残る生物は、最も強いものではなく、最も知性の高いものでもなく、最も変化に対応できるものである。」
その解釈から
「現実から目を背け緩慢な死に向かうか、根本的変化に挑み未来を切り開くか選ぶのはあなただ。」という言葉も生まれています。
私はこの変化を過去の全てを捨て去り、0ベースで変わっていくという事とは考えていません。人が構成する世の中は変わりませんから、何より愚直に誠実に真っ直ぐ人に向かい合う姿を忘れず各企業が大切にしてきた事を基本とし、その上で新しい事に挑戦し働く人達が成長していく事が大切と考えます。
Changeのgを一文字cにすればChanceとなります。
つまり今後のキーになるのはgc=GC は弊社のゴールデン・チャイルドの略称だから、この事をマネジャー達に「やはり私達は時代を切り拓けるのだー!」とメールに書いたら
金子さんのメールの文字に誤りがありましたと冷静に返信がありました。
脱帽!
金子 孝一