先日インタビュー番組で台湾のデジタル大臣オードリー・タンさんを取上げていました。
彼は今回のコロナ対策で一躍世界の注目を集め、「Fast、Fair、Fan」のキーワード
「素早く・公平に・楽しく」の施策でコロナを封じ込めました。
施策に必要なアプリの開発のデータをオープンにして、どんどん開発を進化させていく。
判断力・行動力が優れ中立の立場で展開するので、市民からも信頼され人気が高いとの事です。
そんな彼に今後仕事はどんな仕事がメジャーになるのかとの質問がありました。
彼の答えは「スラッシュ スラッシュ スラッシュ /  /  / 」との答えでした。
私は???です。
意味は一人の人が一つの職業ではなく例えば「調理師/デザイナー/書家」と言うようないくつかの職業を同時にやっているのではとの事でした。
なるほど今企業も副業を認める時代になってきています。
弊社でも規約がありますが、それを守れば副業もOKとなっています。

本を読んでいると色々な職業の主人公を取上げ、こんな事を専門とする仕事もあるのかと改めて驚きます。
私達の仕事も会議コーディネーターと言いますが、表に出る仕事ではないので、一般の方が目にする仕事ではありません。

私も恥ずかしながら9年前まではキュレーターという仕事がある事を知りませんでした。
原田マハさんの「楽園のカンヴァス」という作品を読んで初めて知りました。
贋作か知られざる新作か?海外のキュレーターと日本人美術研究者を描くアートミステリーです。
私達が案内をもらう美術館等の○○展開催等世界から作品が集結する展示会は実はキュレーターという人達が関わり色々な美術館と交渉しながら間を取り持ち開催されているのですね。

私達の知らない表に出ない仕事はきっと山程あるのでしょう。
同じく原田マハさんの作品で「本日はお日柄もよく」ではスピーチライターを専門としている方の人生模様をユーモラスに描いています。こちらもお勧めの本です。

作家濱嘉之(はまよしゆき)さんの作品「ザ・パンデミック」では大病院の中で活躍される元警視庁公安部出身で危機管理会社の代表で大病院の危機管理部門のコンサルティングをしている姿を描いています。
病院でも大規模になると色々な部門があり設計段階から多くのリスクを考え、事前に準備されて運営しているのかと感心しました。
この作品はタイトルからお分かりのように今回のコロナを題材にそれぞれの部門に迫る問題を解決していく姿を描いています。
キュレーターという仕事もそうですが、私達が普段当たり前に行く美術館や病院等にもこんなにも色々な専門の仕事が絡み合って成り立っていると改めて感じました。

現代は興味ある事、好きな事を自然体で取り組める環境が整っていてハードルを軽々と越え、いつの間にかスキルアップしてジャンルにとらわれず進化するのでしょう。
そう考えると、私の若い頃にはユーチューバーやイースポーツ等ありませんでしたが、今や子供たちの人気の職業になっています。
これからどんな職業が生まれるか想像も出来ません。

私も20代後半から30代前半仕事はと聞かれると
食堂運営/ 海外添乗員/ 会議コーディネーター/ 輸入販売 を
同時にやっていた事を今回のブログを書きながら思い出しました。
その当時、家族には心配をかけましたが調理師免許・ツアーコンダクターの資格も取りましたので、今の仕事にも間接的でも役に立っています。

1回限りの人生の中で同時に2つ3つと違った風景を見られる時期を持つのも新たな成長の大きなきっかけとなるのかも知れません。
しかし葛藤しながらも一つの事を貫いていく姿も勿論あっぱれな人生です!
こんな多様な人生をお互いに認め合いながら尊敬出来る社会であってほしいです。

金子 孝一