自分にとって都合のいい情報ばかりを無意識的に集めてしまい、反証する情報を無視したり集めようとしない傾向を心理学の用語で「確証バイアス」と言うそうです。
最初に思い込みがあると、多様な情報があっても最初の考えを支持するような情報ばかりが目に付くような事です。
童話作家のアンデルセン翻案「裸の王様」の内容が象徴的な例ではないでしょうか。
有名な童話ですが、元々の発表はスペインの王族フアン・マヌエルが1335年に発表した寓話集の中の一部をアンデルセンが翻案し発表したのが1837年です。
昔から現代まで言い継がれた注意は人間の本質、脳の働きは変わらず教訓として私達に時々思い出しなさいというメッセージなのでしょう。
この物語の指摘は、周囲からの批判や反対を受け入れない為、真実が見えなくなっている人のたとえになっています。
前回ブログで書きましたエコーチェンバー現象と似たような事です。
以前ブログでスマホ脳についてGAFAは人間の脳の仕組みを巧みに利用して商品等を開発展開していると書きました。
この確証バイアスも同じ位置付けだと思います。
マーケティング活動にも、この現象を利用しています。
どうしてもコロナ禍で孤独感を感じる人が多くなる中で、繋がりたいとの欲求は強くなる傾向にあると感じます。
その気持ちを利用して様々な商品や集団に誘導していく落とし穴が、各所にあったら私達は気が付かず、はまってしまうようになります。
自分に心地よい言葉や映像等で癒される事も多いと思います。
それも時には大切な事と思います。
しかし全てではありませんが裏には意図された仕組みがあり、人間の心理を上手く利用した広告媒体があると知っている事がコントロールされない重要な事だと思います。
私には苦言をしっかり言ってくれる会社の仲間が多く、Web会議でも叱咤、叱咤を毎回聞いているので冷汗の連続です。
でも勘違いせず今の自分を冷静に見つめる機会を作ってくれる大切な仲間に本当に感謝です。
しかし苦言、叱咤ばかりでも辛い時がありますが・・・(自業自得)
金子 孝一