突然ですが、私の学生の頃からずっとわくわくしながら見ている映画「007」シリーズがようやく日本で10月1日から公開されました。
昨年公開予定でしたが、コロナ禍で3回も延期されました。
ジェームス・ボンド演じる英国のMI6の情報部員の物語です。
このボンドが所属する英国情報局秘密情報部MI6(Military Intelligence 6)にもやはりインテリジェンスが使われています。
アメリカのCIA(Central Intelligence Agency)も同じです。
但しFBIのIは違ってFederal Bureau of Investigationで役割が違いますからInvestigation捜査が使われています。
前回「情報を考える」についてブログで書かせて頂きました。
今回はその時に書けなかった部分を書かせて頂きます。
タイトルの通りインフォメーションからインテリジェンスへとありますが、違いはとの問いに直ぐに回答出来るでしょうか?
調べると色々定義を説明している記事があります。
専門に研究している研究所の論文ではインフォメーションは「判断・行動の為の必要な知識」との説明でした。
又その論文では「回答がただ一つ」の場合は、インフォメーションを入手出来れば、解決出来ると(この事はインテリジェンスの世界では単純問題という)説明がありました。
又回答が複数になった場合(単純問題に対し、この場合は不確定問題という)は、このアプローチは通用しなくなります。
そのインフォメーションからインテリジェンスをつくり出すために「分析」が非常に重要なポイントになります。
インテリジェンスの研究家リチャード・ホイヤーは「インテリジェンス活動の失敗は分析の失敗によるものの方が、情報収集の失敗によるものより多い」と語っています。
直近ではアメリカのアフガニスタン撤退が一番の例ではないでしょうか?
専門家でさえも大きな間違えを起こす。
ましてや普通に生活する私達がインフォメーションをインテリジェンスまで昇華出来る事は本当に難しいのでしょうか。
私達も身近な生活やビジネスで、このような活動を無意識でやっている気がします。
生活では台風の進路や大雨、暴風等の情報から自分達の生活の予想を立て危機に備えます。
又ビジネスにおいても、以前シミュレーションと言うタイトルで、このブログに書かせて頂きましたように目標に向かって多種多様な展開の可能性や危機に対し対応出来るように準備をします。
その行為そのものがインテリジェンスというのではないでしょうか。
世界で起こっている悲惨な出来事をニュースで見ていると、その対応にインテリジェンスが欠けている国家や政治がどれ程、国民生活に影響を与えてしまうのかを痛感します。
インテリジェンスの精度を上げる、この事はずっと私達の生活の中でも意識して続けていかなくてはいけないのでしょう。
私達の国も未来に向けて悲惨な結果にならないように、近く行われる選挙で自らの意思を伝える事も身近なインテリジェンス活動の一環と言っても良いのではないでしょうか。
金子 孝一